1964年のディズニー映画「メリー・ポピンズ」は、アニメではなくジュリー・アンドリュース主演の普通の映画ですが、これは1944年当時ロンドンの空襲を避けてNYにいた原作者P.L.トラバース(イギリス人、1899-1996)がアニメ映画化を許可しなかったためとされています。
映画の舞台は1910年頃のロンドンで、主演のジュリー・アンドリュースはイギリス人、映画中の英語はキングズ・イングリッシュになっています。1940年「ピノキオ」1942年「バンビ」とアニメ路線を進んでいたW.ディズニー(1901-1996)が娘の読んでいた本を見て映画化を強く望み、20年かけて粘り強く映画化に抵抗する原作者と交渉した産物だったと言えます。
原作者P.L.トラバースが示した条件は ①アニメにしない ②最終シナリオの承認を得る だったとされ、これは原作者のもつ著作権のうち 映画化権と同一性保持権 を根拠とするものですが、完成した映画をみたトラバースは余りの変形に映画化権の譲渡を悔んだと言われています。
一方、主演のジュリー・アンドリュースは同時に映画化予定があった「マイ・フェア・レディ」のイライザ役の方を希望し、イライザ役の依頼があった場合はこの映画の出演をキャンセルできる条件としたとされています。しかしイライザ役がオードリー・ヘプバーンに奪われたことに映画界の同情が集まり、この年のアカデミー主演女優賞はジュリー・アンドリュースが「マイ・フェア・レディ」のオードリー・ヘプバーンを破って受賞しています。
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原 能子 (月曜日, 25 3月 2013 13:00)
映画「メリー・ポピンズ」、「マイ・フェア・レディ」の両方とも好きな映画ですが、そんな裏話があったのですね。「メリー・ポピンズ」は、年齢層幅広く、愛された映画ですよね!懐かしく思い出しました。